おやじは荒野をめざす【カナダ編】

30年間続けた塾を閉じ、私は北極海をめざす旅に出た。物好きオヤジの旅の記録が教え子たちへの課外授業となってくれることを願って、このブログを綴る。

2019-01-01から1年間の記事一覧

★「アラスカ編」はもう始まっていま〜す

アラスカ編のアドレスは https://ilovewell0913.hatenablog.com/ です。 「おやじは荒野をめざす・カナダ編」におつきあいいただきありがとうございました。カナダ編は7月15日アップ分で終了し、8月8日から「アラスカ編」が始まっております。「アラス…

(31) アメリカへの旅〈女神とミッキーの住む都〉

観光名所というのは元々苦手なんだけど、これだけは見とこうと思ったのは「自由の女神」と「エンパイアステートビル」だった。 地下鉄駅からフェリー乗り場まで歩く途中で、あのお馴染みの形と色のスタチューが海の上遠くに見えてきた。フェリーが動き出し、…

(30) アメリカへの旅〈美術館と黒人音楽〉

アメリカは世界で一番の国、ま、色々な意味でだけどね。そして、ニューヨークは、アメリカの良いところと悪いところがごった煮になっている、そんな場所なんじゃないか。この世に生まれ、世界に興味があるのなら、好き嫌いは抜きにして、やっぱりニューヨー…

(29) アメリカへの旅〈二人のジョン〉

アメリカほど戦争をしている国はないだろう。第二次世界大戦以降の大きなものに限ってみても、朝鮮半島、ベトナム、ペルシャ湾岸、アフガニスタン、イラク、、、アメリカは圧倒的な兵器・兵力を惜しみなく投入するけど、どんなに軍事的優位に立とうとも、戦…

(28) アメリカへの旅〈青春の彷徨〉

透明感のあるハーモニーに不安とせつなさが交錯する青春の詩。 現代アメリカの文化を特徴付ける三つの要素を上げるとすれば、「ジャズやロック、ミュージカルなどの大衆音楽」、「大リーグ、バスケ、アメラグなどのビジネス化されたスポーツ」、そして「ウー…

(27) カナダ東部への旅

カナダに来て最初のうちは一日、二日と日数を数えるような毎日だったけど、あっという間に過ぎた。でもここらで一息つこうと思って、一時帰国した。普通に帰るんじゃつまんないから、カナダ東部とアメリカに寄り道してね。 カナダではどんなものにも英語とフ…

(26) バンクーバー島北部への旅〈漂流物〉

オオカミの砂浜では、実はもう一つのトンデモナイモノに出くわしていたんだ。 誰もいない砂浜をあてどなく歩いて、大きな流木のところで一休み。海藻やら貝殻やらがあちこち目につくけどゴミは全然ない。そうだよなあ。アラスカも間近のここまで来て、ゴミが…

(25) バンクーバー島北部への旅〈足跡〉

これ、何だか分かるかな。 トレイルヘッド(登山口)に車を置いてサンジョセフベイという浜辺に向けて歩き出した矢先、「ここはオオカミがいる。各自、自己責任で気をつけるように、、、」なんて標識が出てきた。さすがカナダ、最果ての地なんて感動しつつ、マ…

(24) バンクーバー島北部への旅〈開拓時代〉

基礎英語からIELTSクラスへ移行するときに上手く休みを作って、バンクーバー島北部への旅に出た。野生動物の危険の度合い、野宿、車の運転(こちらはキープライト)、トレイル(登山道)の状況、釣りなど、アラスカ行の予行演習も兼ねたものだった。 バンクーバ…

(22) 頑張っている人たち

いくら安全・のどかなビクトリアでも、日本を離れてウン年ともなると、人知れずタイヘンなこともあるはずだ。今回は、ビクトリアの町で奮闘努力して自分の道を切り拓いた、または切り拓きつつある若者+おじさん一人を紹介する。 マナ エドんとこに半年くら…

(20) 日本が失ったもの

カナダに来て「あっ、こういうのいいな〜」ってのがいくつもある。昔の日本では多分珍しくなかったんだけど、今はもうなくなってしまった。日本は忙しい国だし、日本人はよく働く。働くのは大切なことだけれど、あくせくし過ぎてると私は思うんだ。便利で綺…

(19) 「違うこと」と「同じこと」

カナダと日本を比べてみると、「違う」ってのはいくらでも挙げられる。 ●朝起きて外出前にシャワーを浴びる。カナダの男の人は、ヘヤークリームとかワックスみたいのを使わない。身だしなみのきちんとした人(少数派)でも髪は洗いっぱなしだって。ウォルマー…

(18) 若い人たちに交じって勉強すること

最初はそれこそ右も左も分からない外国暮らしだった。なんとか勉強が順調に始まり(どれだけ身についたかは別問題だけどね)、ホームステイの生活にも慣れてきた。あの店のカレーは安くて美味いとか、30番のバスが来ないときは31番のバスに乗ってどのバス停…

(21) ロール・オーバー 「日本の英語教育」!

今回はちょっと真面目に「日本の英語教育」について。今まで受験英語をウン十年教えてきた者として、ひとこと言いたい、あるいは言うべきだと思ってる。ただし、私が日本の英語教育を批判的に述べたからといって、ダレカサンが英語の勉強をサボっていいとい…

(16) 留学は誰でも挑戦できるぞ

今日は(14)の話の続きだ。N君・Mさんに加えてニュージーランド留学から帰ってきたYさんにも来てもらったぞ。 私 やあ、Yさん。元気そうだね。ニュージーランドはどうだった? Yさん 先生、お久しぶりです。最後まで勉強頑張れました。英語はまだペラペラとは…

(15) ローランドの静かで心豊かな日々

エドの友達に、50年前にドイツから移民としてカナダに来たローランドという人がいるんだ。以前は建築用の鉄鋼を扱う会社を経営していたらしい。多くのカナダ人みたいに大声でべらべらしゃべる事をしない。がっちりした体格で、だいぶ前にトライアスロンや…

(14) なぜ日本人は英語が上手くならないのか?

今日は教え子のN君とMさんに登場してもらい、日本人の英語について論じてみたぞ。 N君 先生、お疲れ様です。随分頑張ってるようで大いに励みになります。でも、英語、大して上手くなってないんじゃナィですか? 私 のっけから核心をついてくるのう。しかし、…

(23) ビクトリアという町

最初は「なんてのどかで安全な町なんだ」と思いつつ、観光の町特有の"退屈さ"みたいのも少しあったかな。でも、レストラン、携帯屋さん、本屋、紅茶屋、スーパーマーケット、バス、バス停で一緒になる人、いろいろなところで人と出会い、知り合いが増えるに…

(13) アレンじいさん〈その2〉

左:写真を撮ろうとしたら、慌ててボロジャンパー脱いで行儀よくカメラに収まった。 右:クルーザーを引っ張り上げ、さらにその後2時間かけて水洗い。海の男のルーテイーン。 5時間のクルージングが終わりハーバーに戻った。「キヨシ、クルマを取ってくる…

(12) アレンじいさん〈その1〉

エドの家には色々なお客さんが来る。友人、知人、以前ステイしていた人、親戚などだけど、1ヶ月もしないうちに、私はそれらの客人をもてなすメンバーの一人になっていた。勉強が忙しかったり疲れているときは「なんでやねん、、、」と思うが、ホームステイ…

(11) 何を食べりゃいいんだろう〈自炊〉

エドんとこのホームステイは「ご飯無し」なんだ。カナダの人が作った料理が自分の口と言うより胃に合わなかったら半年間辛い思いをしなくちゃいけない。消化器系に弱点がある私は、体調崩すかもしれないしね。だから、半自炊生活をしてるんだ。朝は簡単にパ…

(10) 何を食べりゃいいんだろう〈外食〉

「今日は何食うかなぁ、、、めんどっちいなぁ、、、」と何度思ったことか。「サプリで済ませられればこんな楽なことはない」とか、「今日はあまりにも面倒臭いから食べるのやめちまえ」みたいに考えた時もあった。「わがまま+好き嫌いが多い」私がいけない…

(9) 英語で話すということ〈その2〉

不思議なもんで、英語で話してて調子のいい日と調子の悪い日がある。調子のいい日は「おお、私の英語もあと少しで"ペラペラ"のレベルだな」といたって気分がいい。翌日悪かったりすると「昨日のは何かの思い違いになんだな、ショボボーン、、、」って感じ。…

(8) 英語で話すということ〈その1〉

ビクトリアに来てちょうど1ヶ月くらい経った時のことだ。時差ボケはとっくに治ったし、気がかりだった食べ物にも意外と順応してる。こっちの食べ物は脂っこいからどうかなあと心配だったんだけど、胃腸の方が諦めて、食べ物に合わせてくれているのかも。ウ…

(7) カナダ人は日本のこと、どう思っているのかな

ビクトリアの郊外に、観光客がよく訪れるブッチャートガーデンというところがある。ダウンタウンからバスで一時間。東京で言うと、向ヶ丘遊園みたいなところかな、ウン倍も広いけれどね。ローズガーデンとか人工的なポンドや噴水とかもあって、工夫が施され…

(6) なぜ英語を学び直そうと思ったのか

実はね、英語には忘れられないことが二つあるんだ。 今から半世紀前。中学1年の、英語を習い始めて数ヶ月が経った頃だった。最初は辞書のhとnを見間違えたりしたけど、イギリス帰りのお洒落なM先生のおかげで英語がだんだん好きになった。んじゃちょいと…

(5) 初めての授業〈その2〉

でもね、不思議なもんで、ホワイトボードを背にして皆の前に立つと、トライで授業やってた時の感じが戻ってきて、さっきの焦りはどこかへ消え去ってたんだ。 My name is Kiyoshi Inoue and came here from Japan just only a few days ago. I'm now sixty-si…

(4) 初めての授業〈その1〉

後列のコリン先生にはどれほど支えられ励まされたことか、、、 ビクトリアに着いて次の日、とりあえず街の様子でも見てみようとホテルを出た。時差ボケで体がだるい。当たり前のことだが、モロ外国って感じで、右も左も分からない。行き当たりばったりで2時…

(3) ハロー、エド&キャリアナ!

最初の1週間はちょっとリッチなホテル住まいだったけれど、今日からは一般ピープルに戻らなくちゃいけない。なるべく余計なお金を使わないで、若い人たちと「同じ」とまでは言わなくとも「近い」条件で生活する、それが日本を出る前に私が決めたポリシーな…

(17) ジャック・ケルアック「オン・ザ・ロード」

アメリカにも自分みたいのがいるんだ、、、と感じた青春の一冊。 今の若者は本を読まないみたいだね。分かっちゃいねえな、、、と思うよ。 アメリカの近現代文学にジャック・ケルアックという人が書いた「オン・ザ・ロード」という小説があって、邦題は「路…