(5) 初めての授業〈その2〉
でもね、不思議なもんで、ホワイトボードを背にして皆の前に立つと、トライで授業やってた時の感じが戻ってきて、さっきの焦りはどこかへ消え去ってたんだ。
My name is Kiyoshi Inoue and came here from Japan just only a few days ago. I'm now sixty-six, the oldest in this school, maybe. My purpose of visiting here is, , ,
かなりいい加減な発音だし中学レベルの単語ばかりなんだけど、言葉がうまく続いて出てくるんだ。私が教えてきたのは高校入試用の受験英語だけど、それはそれで十分役に立つということだな。
次の Writing のクラスでは、皆が自分の好きなものについて述べ、最後に新入生の私が自己紹介するという形だった。ゲームが好きとか、日本のアニメ最高、音楽=命みたいに、それぞれが順繰りに発言する。さっきのクラスでは自分の趣味についてカメラ、トレッキング、フライフィッシングとか、ホワイトボードで図解までして説明した。同じメンバーもいたので、繰り返しじゃつまらないし、さてどうしたものか、、、と考えていたら、すぐに自分の番になってしまったんだ。で、
My favorite thing is, , , well, , well, well, , , oh! my favorite is young pretty girl!
が咄嗟に口をついて出た。一呼吸置いて大受け。正しくは a を付けるなり girls とすべきだったんだけれど、自分でも言いながら可笑しくなって笑いを抑えられなくなった。そりゃそうだよ。みんなが真面目に発言してるのに、日本からの変なおっさんが一人だけ妙なこと突然言ったんだからね。
こうして、世界各国から集まった若者に交じって、私の英語の再挑戦が始まった。歳は気にすまい。若い奴らに負けても構やしない。何のアドバンテージも無しに、さあ、気合いで頑張るぞ。私の、実に40年ぶりの、生徒としての勉強はこうしてスタートした。
みなさーーーーーーーーーん‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️
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