おやじは荒野をめざす【カナダ編】

30年間続けた塾を閉じ、私は北極海をめざす旅に出た。物好きオヤジの旅の記録が教え子たちへの課外授業となってくれることを願って、このブログを綴る。

(1) 30年続けた塾を閉じる

  準備の大半は30年間続けて来た塾=トライ※を閉じることだった。心細い時もあったし、正直、よくもまあここまで持ったものだと妙に感心しているところもあるんだ。それから、心に引っかかることもね。30年やってると、ちょっと大げさな言い方だけど、一種の公共性みたいなものを帯びてきて、果たして私一人の考えだけでピリオドを打っていいんだろうかとか、せっかくここまで頑張ってきたのに、それが一瞬にして消えてしまう寂しさとかね。卒業生が訪ねてくる「場」がなくなるってのも辛いよね。すでに中年になった1期生から去年卒業したのまで、訪ねてくる卒業生の数は明らかに入会希望者の倍はいた。皆、ひょっこりやって来ては4つしかない教室(2つだと思ってる子が多いよね)を一巡りし、一様に「昔と変わってないですねぇ」と安心したように言って帰っていく。それだけのことなんだけど、だからこそ、その「場」がなくなってしまうのは卒業生も私もつまらないし残念だよ。「後を継がせてほしい」と申し出てくれる若者もいたよ。「途中で投げ出すのか、、、」って抗議するお母さんもいたんだ。

 それらのすべてを受け止め、経済・経営・知力・体力・時間などについてじっくり考えを巡らした上で、結局、スパッと閉じることにした。生徒たち、保護者、スタッフ、関係者に教室閉鎖を連絡し、半年の時間をかけて、塾を閉じたんだ。

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生徒からの手紙はトライの勲章、壁の落書きはトライの歴史

 「トライ 最後の四日間」と名打って教室を開放したら、懐かしい顔が続々とトライのドアをくぐってくれた。常々「トライは敷居のない塾」と言ってきたけど、最後にそれを改めて実感させられたね。メール、ライン、手紙、電話なんかもたくさん来たし、歴代のスタッフ有志が「"総"打ち上げ」をやってくれ、「トライ ラストキャンプ」が最後を締めた。トライにふさわしいエンディングだったな。

 トライは課外活動が多い塾だったと思う。スポーツ大会・トライ祭・卒コン・同窓会、そしてサマーキャンプ。いつも「勉強だけじゃつまらない」って思ってたんだ。そんなこと思い出していたら、ふと、最後の「課外授業」ってのが頭に浮かんだ。私の今後の活動、どこでどんなことやってるとか、どんなこと考えたとか、それらを皆に発信したら、何かの新しいプラスを生むかもしれない。興味無いわって人はそれはそれでいいんだけどね。去年の春、ツイッターとかフェイスブックとかやるよー、見てよーなんて言ってたけど、ちょっとやってみたら、自分が考えていたのはこれじゃないって思った。写真と短い文だけじゃ私には無理。表しきれないよ。この件につきましては、誠に申し訳ございませんでした。でも、それに代わるものとしてこのブログを始めることにした。えっ、またすぐ止めちゃうんじゃないの、、、なんて言わずに、ま、気長に見ててください。

 

※:私が約30年続けてきた塾の名前。テレビCMの「家庭教師の◯◯◯」とは無関係。(一般の方への説明)