おやじは荒野をめざす【カナダ編】

30年間続けた塾を閉じ、私は北極海をめざす旅に出た。物好きオヤジの旅の記録が教え子たちへの課外授業となってくれることを願って、このブログを綴る。

(2) トライからカナダへ、長くもあり短くもある旅路

 旅の準備が本格化したのは、梅雨真っ只中の6月後半になってからだった。トライ閉じるのが予想以上に手間取ったけど、何となくぐずぐずしている感じもあった。大きな楽しみの前にそれと真逆の「虚しさ」みたいの感じたことないかなぁ。そんな感じだったのかもしれない。普段の生活を抜け出すという不安が少しは関係しているんだろうけど、それだけじゃないし、不安そのものでもないんだ。これ分かる人、大変感受性豊かです!

 出発当日は朝から夏の日差しが照りつけてた。あのクソ暑い日本の夏がすぐそこまで来ているに違いない。家族に見送られて出発ゲートをくぐると、あとはオートマティカリ automatically に物事が進み、しんみりしている暇なんかない。例の虚しさなんて、とっくにどこかに消し飛んでいたよ。でも、何となく不思議な感じがする。現実感がないというか、自分のやってることをもう一人の自分が淡々と見ているみたいなね。

 眠たい目で窓の外を見たら、カナダのバンクーバーってところに到着したのが分かった。長いけれど短くもある10時間のフライト。自分はただ座っていただけなのに、ヒコーキは律儀に私の体を、太平洋を越えてカナダまで運んでくれた。当たり前のことがどことなくぼやけて感じられる。羽田を出たのが夕方6時でこちらに着いたのが同じ日の昼前ってのも頭を混乱させるしね。眠たい目をこすってバスとフェリーを乗り継ぎ、初夏の日が照りつけるバンクーバー島・ビクトリアに無事到着した。なーんだ、こっちも結構暑いな。

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ビクトリアは歴史を感じさせる自然豊かな町。「子育て」と「老後」にはうってつけ。